スケートアメリカ 女子SPの感想 キムヨナ編PART2
かなり時間差になりましたが、あらためてプロトコルの内容と照らし合わせながらの私見を交えての感想となります。
全体として
安藤選手や中野選手との歴然とした違いは一言でズバリ「ジャンプの正確性」です。この点は非常に大きかったでしょう。他の選手がダウングレード(DG)を連発されている中では、やはり他を抜きんでた点数となるのは当然です。
一方今回のファイブコンポーネンツで一人30点台を出していますが、曲が彼女の得意とするスピードに乗ったスケーティングに非常に合っていたということもあって、見栄えがしたこともプラスに働いている印象がありました。そういう意味で曲選びって大切だなと思ったわけです。
ショートはやはり彼女の醍醐味であるスピードを生かせる点では、点数の稼ぎどころでしょう。今季もフリーでは演技後半で明らかな失速が見られましたが、ショートでは時間が短い分、彼女の長所が凝縮していると言った感じです。ワールドに向けてショートで点数を荒稼ぎして、確実にトップを狙うという方向性でしょう。
ジャンプ
3フリップ3トウループ 9.50+1.20=10.70
きれいに決まりました。スローで見る踏み切りではアウトサイドエッジでしたが、「!」はつきませんでした。彼女のフリップはトレースの描き方が直線なので、ルッツとは明らかに異なる点で「!」が付きにくくなっている感が否めません。
3ルッツ 6.0+1.60=7.60
すごい点数です。昨季の3アクセルの基礎点7.2を超えています。こういった点で今季3アクセルの基礎点が8.2に上がったことはもっともだと言えます。難易度がはるかに高く、現役女子では真央選手&中野選手の2名しか成功していない3アクセルの基礎点が、3ルッツより下回るということは、点数の付け方に不公平があったのは事実でしょう。だからと言って彼女の加点に文句を言っているのではありません。それぐらい彼女のルッツジャンプは美しく正確なので、素晴らしい得点になるということです。
2アクセル 3.50-1.44=2.06
お手付き&ステッピングアウトしてしまいました。お手付きで-1、ステッピングアウトと相対的な出来栄えの相殺、つまりこの2アクセルはスパイラルから間もなくジャンプするという、非常に難しい入り方をしていたので、プラスマイナスして、この点数なのでしょう。ーが、-1.8~-2.0が出ていてもおかしくなかったかもしれません。ラッキーでした。このジャンプが成功していたら、パーソナルベストを出せていたのではないでしょうか。
スパイラル レベル4 3.4+1.80=5.20
トリノオリンピックでのコーエン選手の加点+2に勢いづく高い点数です。そこまで点数でるの?っていうのが正直なところです。柔軟性に欠ける彼女のポジションからして決してmost beautifulではなかったと思います。今季から彼女はショート・フリー両方において、スパイラルアラベスクで6秒間の後半に、顔を上にあげるようになりました。まっすぐなままよりはやや難度をあげる印象を与えるためでしょうか。何となくそんな感じがします。
スピン いずれもレベル3
はじめからレベル4狙いではなかったのか、レベル4をとろうにもとれなかったのか、やや不明です。FSSpについては、レベルの取りこぼしというよりは、時間がなく、要素が足りなかったような感じです。その他のスピンについても今後の成り行きを見ていけば分かってくるとは思うのですが。
ストレートラインステップ レベル3 3.30+0.80=4.10
全体の見栄えとしては昨年より音楽と調和していて良かったと思います。0.8の加点は高いと言えるでしょう。失速感がなかったのが良かったです。上半身の動きが多様性に富んでいましたが、やはり柔軟性といった点では進化が見られません。最後の見せ場であるステップでは自分の持つ個性と音楽とがよりマッチする方が、印象も違ってくると思います。真央選手のように柔らかい表現力にはクラシックが良く合うのと同じで、彼女のスピードを活かすうえでは力強い音楽の方がより合っていると思います。
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